「マックイーン:モードの反逆児」(2018年)のヘレナ・コーン監督でオードリー・ヘプバーン初のドキュメンタリー作品となる「オードリー・ヘプバーン」をパーソナリティー斉藤洋美が紹介。
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〈Hiromi’s Eye〉
オードリー・ヘプバーンさん初のドキュメンタリー作品です。
オードリーさんは、1929年5月4日に誕生され、1993年1月20日に63歳の若さでご他界されました。
オードリーさんが旅立ってから30年が過ぎようとしているなんて、びっくりです。
オードリーさんは、ずっと生き続けていらっしゃるような気がしてならないのです。
私は、この作品を観る前にちょっとドキドキしました。それは一つの作品を観るというより、まるで生身の大好きなオードリーさんにお会いできるようなドキドキ感でした。
そして、この作品の冒頭で、お会いできたのが、あの名作『ローマの休日』(1953 年の作品)で、アカデミー賞を受賞され、その授賞式でキラキラ輝く笑顔でスピーチされる24歳のオードリー・ヘプバーンさん。その天使のような笑顔に会えただけで、幸せで、癒されて、それだけでこの作品を観る価値があると思いました。
スクリーンの妖精、永遠のファッションアイコン、人道活動家、など、さまざまな足跡(そくせき)を残されていますが、生前はあまり自分のことを語りたがらなかったそうです。映画界を離れ、晩年、ユニセフの親善大使として世界の紛争地域を飛び回るようになってからは、自分が表に出ることで飢えた子供たちに世界の目が向けばと考え、積極的に取材を受けるようになり、そこで初めて、戦争によって幼少期に経験した栄養失調、父親の裏切り、ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育った過去のトラウマ、生涯追い求めたのは家庭、家族の大切さ、でも、2度の離婚。また、ハリウッド映画の現場で巨匠たちとどのように向き合ったかなどオードリーさん自身の言葉で語られるようになったそうです。
ヘレナ・コーン監督は、オードリーさんのことを「英雄」とおっしゃっています。
この作品をみると、「その通り!」ときっと大きく頷かれると思います。
オードリーさんが、その抱える大きな苦しみ、悲しみを、どうやって、それを愛に変えて多くの人に届けてくれたのか・・・。自分に何があっても立ち上がり、愛することをやめず、寛容な心を持つことができたのか・・・。
オードリーさんの長男のショーンさん、お孫さんのエマさんをはじめ、縁(ゆかり)の方々のインタビューと共に、オードリーさん自身の言葉で綴られていきます。
その縁の方々とは・・・
晩年の姿を知るユニセフの写真家、ジョン・アイザック さん
『ニューヨークの恋人たち』(1981 年)の監督、ピーター・ボグダノヴィッチさん
スティーヴン・スピルバーグ監督の 『オールウェイズ』(1989 年)で共演したリチャード・ドレイファスさん
ジバンシィの元アーティスティック・ディレク ター、クレア・ワイト・ケラーさん
カメラでオードリーを撮り続けたファッションフォトグラファー、リチャード・アヴェドンさん孫、マイケル・アヴェドンさんなどなどの皆さんです。
そして、「ティファニーで朝食を」「マイフェアレディ」「麗しのサブリナ」などなどにまつわるファンにはたまらないエピソード、希少なアーカイブ映像も勿論登場します。
この作品を通して、なぜオードリーさんの笑顔に癒されるのか、なぜオードリーさんの作品に惹かれるのか、なぜオードリーさんが大好きなのか・・・そして、無償の愛というものを教えていただきました。
今、世界中が混迷するこの時代にもしも生きていたら、オードリーさんはどんなことを思い、どんな言葉を発し、どんな行動を起こしているでしょう。
今こそ、この作品を通して、オードリー・ヘプバーンさんに会ってほしいです。
原題:Audrey
監督:ヘレナ・コーン
製作:ニック・タウシグ、アナベル・ウィゴダー
脚本:ヘレナ・コーン
編集:マーク・ケイディ
音楽:アレックス・ソマーズ
出演:
- オードリー・ヘプバーン
- ショーン・ヘプバーン・ファーラー
- エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー
- クレア・ワイト・ケラー
- ピーター・ボグダノビッチ
- リチャード・ドレイファス
- レッサンドラ・フェリ
- フランチェスカ・ヘイワード
- キーラ・ムーア
製作年:2020年
製作国:イギリス
配給:STAR CHANNEL MOVIES
上映時間:100分
2022年5月6日(金)ロードショー
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