THE 有頂天ホテル

THE 有頂天ホテル第30回 日本アカデミー賞(2007)作品。三谷幸喜の脚本・監督映画。日本を代表する豪華俳優陣が出演の『THE 有頂天ホテル』をパーソナリティー斉藤洋美が紹介。

(C)2006 フジテレビ 東宝


〈ストーリー〉

大晦日のホテル・・・。

大晦日って、新しい年を迎える前の大切な一日で、誰しも、一年の反省をしたり、新しい年に向かって、何か特別な日にしたいと思っているはず。
その大晦日に、このホテルに集まった訳ありのお客さんと、そして、なんとか、新年という大イベントを無事に迎えてもらおうとするホテルの従業員が織りなす群像劇・・・。

その群像劇を、天才三谷幸喜さんが織りなすわけで、しかも一筋縄じゃいかない人物ばかりを23人も出演させちゃって~!、さあ、みんな、有頂天に新年を迎えられるのでしょうか~?


〈Hiromi’s Eye〉

三谷幸喜監督脚本作品と聞いただけで、どんな世界へ連れていってもらえるんだろう~とウキウキします。
コメディです。
でも、ただワハハ・・・と笑っておしまいのコメディではありません。
むしろ、ワハハと大声で笑えないかもしれません。
何だか、切ない中の笑いの方が多かったような気がします。
(伊東四朗さんには笑わされてしまいましたが・・・)

というのも、もともと、この作品のスタートのきっかけは、三谷さんが是非映画で使用したいと思っていた、ミュージカル「スイートチャリティ」のナンバー、「生まれ変わった今夜の自分を見てほしい」と歌う『If My Friends could See Mee Now』を使えることが決まったことが軸になっているんだそうです。

この映画のテーマは・・・
「生まれ変わった今夜の自分を見てほしい」!?。

この作品は新年を迎えるカウントパーティーまでの2時間に起こるひとりひとりの妙ちくりんな奇跡が描かれています。

大晦日は人を変わらせてくれるチャンスが込められている年に一度の大切な日かもしれません。
もしかしたら、気付かないうちに全ての人に、妙ちくりんな奇跡が起こっているかもしれませんよね。
でも、そんな奇跡にも気付かなかったり、人生たった一日で変えられるか~!と思っている人!
そして、本当の大晦日に変われるチャンスを逃してしまった人、この「有頂天ホテル」に参加して、もう一度大晦日を迎えてみるのも良いかもしれません。

あ~、それにしても、三谷幸喜さんの作品って、観ているよりも、仲間に加わりたい~ってものすごく思わされるんですよね・・・。
なんだろそれって・・・、出演したいというのではなく、隅の方でもいいから、仲間になりたいっていう不思議な世界感があるんです・・・。
(あの鹿のかぶり物をかぶりたい・・・とか・・・)

そんな可笑しくて、切ない、不思議な三谷ワールドをまたまた創って下さいました。


〈みどころ〉

  • 出演者23名全員のそれぞれのエピソードが、約2時間という時間の流れの中で微妙に絡み合い、そして、ほぐれていく・・・目が離せませんよ~。
  • ほとんどのシーンがワンシーンワンカットで撮影されています。
    3分から5分のワンカットシーンが多かったそうで、その最後の方で登場することの多かった生瀬さん(副支配人役)は、緊張で顔が半笑いになっている・・・?
  • 映画のために建てられた豪華なホテルのセット。「キル・ビルVoL.1」で青葉屋を造った 種田陽平さんが日本最大のスタジオ(1325平方メートル)に造り上げました。
    スイートルームも、映画「グランドホテル」にちなんでステキな演出が。
  • この作品のきっかけになった「スイートチャリティ」のナンバー
    『If My Friends could See Mee Now』をYOUさんが歌います~。
  • 香取慎吾さん扮するベルボーイが歌う有頂天な歌。これまた大切な役割が・・・。

〈お気に入り〉

  1. ホテルの筆の達人、筆耕係の右近(オダギリジョー)さん。
  2. スパニッシュマジシャンのホセ河内(寺島進)さん。
  3. コールガールのヨーコ(篠原涼子)の携帯の待ち受け画面。
    角野さんがくにゃくにゃ踊りをしているらしいんだけれど・・・。
    これが見るだけで幸せになれる待ち受け画面。
    私もほしい~その待ち受け画面~。

監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
出演:

  • 役所広司
  • 松たか子
  • 佐藤浩市
  • 篠原涼子
  • 香取慎吾

音楽:本間勇輔
製作年:2006年
製作国:日本
日本公開:2006年1月14日
配給:東宝
上映時間:130分

第30回 日本アカデミー賞(2007)

  • 作品賞
  • 監督賞:三谷幸喜
  • 脚本賞
  • 主演男優賞:役所広司
  • 助演男優賞:佐藤浩市
  • 音楽賞

▼予告編