パーソナリティー斉藤洋美が寺尾聰、深津絵里主演の映画『博士の愛した数式』を紹介。
(C)「博士の愛した数式」製作委員会
〈ストーリー〉
不慮の事故で、記憶がたった80分しかもたなくなってしまった天才数学博士(寺尾聰) は、他人と関わりを持つ時に、話題の代わりに博士の愛する数字を使う。
それは、くつのサイズだったり、誕生日だったり、誰しも必ず持っている数字の話。
そんな博士のもとへ、シングルマザーの家政婦(深津絵里)と10歳の息子(齊藤隆成)が働きにやってくる。
そして、博士と家政婦と息子の不思議で温かい日々が動きだす。
しかし、博士にはある過去が・・・。
〈Hiromi’s Eye〉
今思うととても信じられないんですが、小学生の時は算数が大好きでした。
そして、中学3年生までは、答えが解けた快感が忘れられなくて、数学の勉強を進んでしていました。
でも、高校に入ってから微分、積分・・・何それ~?と何故か突然数学が嫌いになって、 私の人生の中から数学は必要ないという勝手な拒否反応が起こり、気付くと成績は落ちまくり、数学が大嫌いになってしまっていたのです。
おかげで、今は日常生活の中の、足し算、引き算、かけ算がやっとという人生を送っています。
それが、こんな私が、この映画を観て、数学を愛おしく思うようになってしまったのです。
観る前は、え~、数式~?とそれだけで、体が拒否反応を起こしていたのに・・・。
それはね・・・、数学、数式、数・・・その中に沢山の愛が、ロマンが込められていること・・・。
公式ひとつだけで、言葉では表現できないような永遠の愛を伝えることができること・・・。
素数、虚数、友愛数、完全数、オイラーの公式・・・などなどを訳あって80分しか記憶のもたない天才数学博士が教えてくれるんです。
しかも、講義ではなく、心優しいシングルマザーの家政婦とその息子との日常のやりとりの中から、自然にのびのびと教えてくれるんです。
それは、もう目からうろこ大会でした。
そしてね・・・
その宇宙のような数式が、家政婦とその息子の心を包み、博士もまたその関わりの中から癒されていくんです・・・。
そして観ている私は、なんてステキな作品に出逢えたんだろうと、心がぽかぽかと温かくなってくるのでした。
原作は、芥川賞作家小川洋子さんの「博士の愛した数式」です。
本屋さんが選ぶ第一回本屋さん大賞、第55回読売文学賞を受賞しています。
〈みどころ〉
- 素数、虚数、友愛数、完全数、オイラーの公式、時間の流れ、無限などなどを、博士が本当に美しく説明してくれます。
- 『ルート』博士が家政婦の息子につけたあだなです。
「どんな数字でも嫌がらずに自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだよ」と・・・。
そして、博士と貴重な時間を過ごし、沢山の贈り物をもらって大人になったルートも登場します。その大人のルートに扮するのが吉岡秀隆さん。 - 寺尾聰さん、深津絵里さんのやりとり・・・。言葉が美しく、温かい・・・。
- 全てのセリフを書き留めたくなりました。
- 浅丘ルリ子さんが、博士の義理の姉役で登場します。
〈お気に入り〉
- 深津絵里さんのエプロン姿でお料理をするシーン。
本当に可愛いんです。 - 大人になったルートの髪型。
- 博士とルート君のやりとり。
- 数学、数式、数字の話全部(何回も観てもっと勉強したいです)
- エトセトラ・・・。
監督:小泉堯史
脚本:小泉堯史
原作:小川洋子
出演:
- 寺尾聰
- 深津絵里
- 齋藤隆成
- 吉岡秀隆
- 浅丘ルリ子
音楽:加古隆
製作年:2005年
製作国:日本
日本公開:2006年1月21日
配給:アスミック・エース
上映時間:117分
▼予告編