映画業界の最も重要な仕事の一つでありながら、最も知られていない仕事キャスティング。
この作品は、キャスティングの先駆者としてハリウッドで長年活躍されたマリオン・ドハティにスポットを当てたドキュメンタリー映画「キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性」をパーソナリティー斉藤洋美が紹介。
(C)Casting By 2012
〈ストーリー〉
映画業界の最も重要な仕事の一つでありながら、最も知られていない仕事キャスティング。
この作品は、キャスティングの先駆者としてハリウッドで長年活躍されたマリオン・ドハティさんを中心に、キャスティングという仕事に迫る映画ファンにとってはたまらないドキュメンタリーです。
〈Hiromi’s Eye〉
実は監督のトム・ドナヒューさんも、この映画を作るまでキャスティング・ディレクターというものを全く理解していなかったし、深い物語があるとは想像もしていなかったそうです。
この映画のきっかけは、監督が友人から「マリオン・ドハティって知ってる?」と聞かれたこと。何年も映画業界にいながら初めて聞く名前で、あらゆる方法で彼女について調べると、見つかったのは、オクラホマ大学の教授による彼女のインタビュー記事のみ。
そこには、彼女が見出した伝説級の名優らの名前と、彼女が配役をした映画史に残る数々の役名が並んでいて・・・。監督は、これは「マリオン・ドハティの映画を作らなくてはいけない」と決心したそうです。
元々、映画に出演していたのは白人男性至上主義が根強い、いわゆるムービースターで役者ではなかったと。そこにマリオンさんが本当の役者を見つけてキャスティングすることによって、どれほど素晴らしい作品に変わったことか。けれど全く光が当たらないキャスティングという仕事。映画のスタッフロールに名前もクレジットされないんです!
監督はマリオンと仕事をした人々へ連絡をとりはじめ、数年かけて取材した相手は200人を超え、そして膨大な資料と映像をかき集めると、マリオン・ドハティという女性がどれほどアメリカ映画に与えたか、同時に、キャスティングという重要な仕事がいかに軽んじられてきたかが証明されたそうです。
この映画の中で、その事実を証言してくださる方々は、
マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニー ロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イースト ウッド、メル・ギブソン、ダスティン・ホフマン、ジョン・ウ゛ォイ ト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタ さんなどなどの皆さんが、マリオン・ドハティさんに見つけてもらって、励ましてもらって、キャリアを変えたあの役の話、映画の話、そして、今ではなかなか見ることのできないデビューしたばかりの頃の本当に貴重な映像も見せてもらえます。
映画ファンにとっては宝物のような作品です。
残念ながら、マリオンさんは、2011年に88歳でご他界されてしまいました。2012年に米国で公開されキャスティングへの再評価と、その後にアカデミー賞が取り組む変革(2025年の第96回以降は作品賞候補に“インクルージョン(包摂性)”が評価条件に加わる 等)にも重要な役割を果たしたと評価された注目作です。
2019年に英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設したことも話題になりました。
原題:Casting By
監督:トム・ドナヒュー
製作:ケイト・レイシー、トム・ドナヒュー、ジョアンナ・コルバート、イラン・アルボレダ
製作総指揮:エドワード・ダーキン、スティーブ・エドワーズ、ジョン・バリス
撮影:ピーター・ボルテ
編集:ジル・シュワイツァー
音楽:リー・ロバーツ
出演:
- マリオン・ドハティ
- マーティン・スコセッシ
- ロバート・デ・ニーロ
- ウッディ・アレン
- クリント・イーストウッド
- ロバート・レッドフォード
- ダスティン・ホフマン
- アル・パチーノ
- メル・ギブソン
- ジョン・トラボルタ
- グレン・クローズ
製作年:2012年
製作国:アメリカ
配給:テレビマンユニオン
上映時間:89分
2022年4月2日(金)ロードショー
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▼予告編